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プロジェクトマネジメントの専門集団としての経験と知識、あらゆる情報をタグづけ。

急成長する組織の中で、社員間の相互理解を Beatrust で支援。

マネジメントの専門会社としての実績から得たノウハウやナレッジを基に、クライアント企業の課題を解決に導くソリューションを提案する株式会社マネジメントソリューションズ。創業19 年目を迎える同社は、ここ数年で急激な成長を遂げ、現在(2022年12月時点)、約 900 名の役職員を抱えています。毎月のように新入社員を迎える同社では、ミッションの社内浸透や社員同士の交流を深めることを目的に、2022 年 6 月に Beatrust を導入。今回は、導入を主導した PM 事業本部のお二人に、導入時の工夫や現時点の活用状況、さらには今後の課題について伺いました。

急成長する組織の中で社員同士を効果的につなげるツールが必要に

ー はじめに、御社の事業内容を教えてください。

株式会社マネジメントソリューションズ 大内 傑様(以下、大内)

メイン業務は、プロジェクトマネジメントの実行支援です。現在、社員が 900 名ほど在籍していますが、うち 600〜700 名弱がコンサルタントとしてクライアント企業に出向き、プロジェクトの実行支援に携わっています。それ以外にも、PROEVER というプロジェクトマネジメントためのシステムを作り、展開している部署などもあります。

ー お二人は、どのような業務に従事されているのでしょうか?

株式会社マネジメントソリューションズ 植田 昌司様(以下、植田)

以前はプレイヤーとしてクライアント企業のプロジェクトに携わっていましたが、現在はラインマネ―ジャーとしてコンサルティング部門を統括しています。

大内

僕も、元々はプロジェクトマネジメントのコンサルタントでした。現在は現場を離れ、 MSOL 内の PMO(Project Management Office)組織を立ち上げ、組織改善や従業員満足度の向上などを推進しています。

ー Beatrust の導入にはどのように関わってきたのでしょうか?

植田

2021 年の夏頃に、大内の部署が Beatrust の検討を始めました。2022 年に入り、導入に向けて本格始動したいので、責任者としてチームに加わってくれないかと打診を受けたんです。その後、Beatrust の導入推進責任者として、社内へのアナウンスや、利用促進に向けた社内アンバサダーの選定や施策の実施を進めてきました。

ー Beatrust を導入しようと思った理由を教えてください。社内のどのような課題を解決したかったのでしょうか?

大内

ここ 2〜3 年の間に社員数が一気に増加し、MSOL が会社として大切にしたい理念や行動指針を新しく入った社員にどう伝えていくべきか、課題を感じていました。必要な情報は社内ポータルサイト上で発信してきましたが、一方的な通知に過ぎませんし、その情報について社員同士が何か会話をすることもありませんでした。また、困ったときに社員同士が気軽に相談しあえる場がないといった課題もありました。コンサルタントの業務の性質上、それぞれの現場に少人数で散らばってしまうので、社員同士の交流の場がなかなか無いんですよね。社員同士がより自由につながって情報共有しあう “仕組み作り” を、会社として主導する必要があると感じ、Beatrust の検討を始めました。

ー 社員数が一気に増加したとのことですが、具体的にはどのくらい増えたのでしょうか?

植田

私が入社したのは 2019 年ですが、当時は社員数が 250〜260 人でした。現在は約 900 人ですから、ここ 3 年で 3 倍以上成長していますね。新しい社員が次々入ってくるので、わずか 3 年半しか社歴のない私が「古株」と呼ばれている状態です (笑)。

ー 入社後間も無くそれぞれの担当プロジェクトに分かれてしまうのでは、顔を知らない社員もたくさん居そうですね。そこをつなぐツールとして、Beatrust を選ばれたということですが、導入時に苦労したことはありましたか?

植田

そもそも業務効率化ツールなどではないため「◯◯を解決できる」とは言い切れず、使っていただく社員一同で育てていくツールだと考えました。私自身の Beatrust への期待は、「コミュニケーション」というよりは「タレントマネジメント」の一部であり、何のために導入するのか、それによって当社はどこに向かっていくのか、きちんと定義したほうがいいと思い、今期からそういった活動に力を入れていますね。

Beatrust を使ったライトな自己開示と人の検索が広がり始めた

ー 御社は、ユーザーの方の Beatrust People(プロフィール)の入力率が高いと伺っています。導入時にどのような工夫をされたのでしょうか。

植田

Beatrust の推進役として、各部門からアンバサダーを 3〜4 名選出してもらいました。部門内の利用状況に関する俯瞰データを提供するので、それを基に何をするかは自分たちで考えてほしいと伝え、推進の具体的な方法はアンバサダーの皆さんにお任せしています。未ログイン者数や、タグ登録数のデータを基に、それぞれが独自のやり方で働きかけてくれていますね。

ー 様々なデータがお手元にあると思いますが、ログイン率はどのくらいですか?

植田

WAU(Weekly Active User:週次アクティブユーザー)を毎週チェックしていますが、ログイン率は全体の 30〜40 %ですね。Beatrust Ask を積極的に活用している人もいれば、プロフィールのタグを増やし続けている人、ログインだけして People や Ask は更新しない、いわゆる「閲覧ユーザー」もいるでしょう。今度、ログイン頻度が高いパワーユーザーの方をピックアップして、Beatrust をどのように活用しているかインタビューする予定ですが、特に話を聞きたいのがこの「閲覧ユーザー」ですね。インタビューをしてみないとわかりませんが、People での「人探しやプロフィール閲覧」をメインに Beatrust を利用しているのではないかと想定しています。

ー 仕事のパートナーを探したり、専門性の高い技術や知識を持つ社員を探したりしている可能性が高いということでしょうか?

大内

具体的な業務に直結する緊急性の高い人探しというよりは、もっとライトでカジュアルな「こんな人が周りに居るんだ」という、理解や確認が目的なのではないかと思います。もともと当社ではカオナビというツールを使っていて、マネージャー以上の社員がチーム編成を検討したり、プロジェクトへアサインする人を探す際にカオナビを利用するという運用になっています。ですから、「チーム組成」「組織マネジメント」という意味合いでは、カオナビを使う人が多いんですね。ただ、一般社員がカオナビを見ると、権限の関係上、名前と所属、簡単な経歴しか掲載されていません。一方 Beatrust からは、仕事面はもちろん、パーソナリティに関する情報(趣味・特技・経験など)を含むプラスアルファな “人となり” を知ることができるため、特殊な組織人事以外の検索は Beatrust の方を使う、という人が増えているようです。

植田

例えば、損害保険システムのプロジェクトマネジメントを支援するため、損害保険の有識者をアサインする必要が発生したとしましょう。先ず、カオナビを通じて、個人の職務経歴や入社以降の担務の内容を細かく参照します。当該業務に関係する知見の有無はそこで大きくフィルタした上で、次のステップとして個別に面談をしていく、といった風に使います。 Beatrust 上の登録内容は自己申告がメインですから、業務アサインに利用するほどには信用できない部分がありますから、それぞれに適した場面で使い分けています。

これは!と思わず目を惹くタグを意図的に仕込むことで積極的な会話の機会が生まれる

ー 御社では、Beatrust People にタグをたくさんつけている方が多いそうですね。中には 500 個以上ものタグをつけている方もいらっしゃるとか。お二人は、何か意図的につけているタグはありますか?

大内

「この話題でつながりたい」と思う話題だけ、詳しいタグをつけるように意識しています。僕はお笑いが好きなんですが、「#お笑い」ではなく、好きな番組や芸人さんの名前はやたら細かくタグづけするんです。そうすると、同じような趣味の人が声をかけてくれるようになります。最近は「#スラムダンク」というタグをつけましたが、最新映画が公開された直後にいいね!がすごく増えました。

植田

僕も同じですね。大雑把なタグって、興味を惹かないんですよ。僕はホラー映画が好きなんですが、だからといって「#ホラー映画」や「#映画鑑賞」という曖昧なタグをつけても面白くはないですよね。だから、ホラー映画の中でも特に好きな「#呪怨」をタグづけしています。同じように呪怨が好きな人がいたら、「どのシリーズが好き?」って会話が生まれますし、タグを見つけた時点で思わずその人に一声かけたくなりますよね。もう一つ意図的にやっているのが、仕事で常駐したことのある街の「#駅名 #地名」をタグづけすること。これも同じ理屈で、県名のような大きな括りではなく、当事者同士が思わず興味を惹かれてしまうような地域性を感じる粒度でタグづけしています。欠点はタグが増え過ぎてしまうことで、結果的に 300 個以上になってしまいました(笑)。

ー 地元トークって弾みますよね。

植田

「#世田谷」とか広い範囲だとトークが全然弾まないんですけど、「#下高井戸」みたいな駅名を入れておくと「シモタカにいたことあるんですか?」って声をかけられることがありますね。タグをつけることのもう1つの目的は、「タグをきっかけにコミュニケーションが生まれること」ですから、それに貢献してくれるようなつけ方を考えることが重要だと思っています。

ー “これは!” と気づいてもらえるような情報を意識的に入れていくということですね。

植田

社内に、僕が絶対に勝てない猛者、通称「タグモンスター」がいるんですが、その人も同じことを言っていました。その人は麻雀が趣味なんですが、「#麻雀」ではなく、行く雀荘の名前と、上がったことのある役満を全てタグ登録しているそうです (笑)。そういう風に、“わかる人にはわかる” 情報をコッソリと仕込んでおくことも、コミュニケーションの技術だと思いますね。

ー なるほど。ところで、もう1つの機能である Beatrust Ask の方も、活発に利用されているのでしょうか?

大内

質問は定期的に投稿されていますね。自分が経験していない業務や、知識のない分野に対し「こういう経験ある人いますか?」といった問いかけが多い印象です。

植田

僕自身も Ask に投稿したことがあります。そのときは、プロジェクトが途中停止になってしまったケースについて、広く社内の経験者に体験談を募りたいと思ったのです。その中から参考になりそうな事例をピックアップして、詳しく聞かせてほしいと個別に Zoom 面談を申し入れました。Zoom 越しに初めて顔を合わせた社員の方も多くて、「あなたがあの植田さんでしたか!」と何度も言われましたね (笑)。そういう風に、Beatrust があったからつながれた人もたくさんいます。オフィスでリアルに会ったとき挨拶がしやすいですし、Ask を活用して良かったと思っています。

ー 「プロジェクトが途中で止まったときどう対応したか」というようなイレギュラーな事例は、解決したらそれきりで、ドキュメントに詳しく残っていないことが多そうですね。

植田

それがポイントで、通常ですと、何もかもがナレッジシェア / 共有知識化される訳では無いのです。仮に、極端な話ですが、プロジェクトメンバーのモチベーション低下が原因でプロジェクト中止に陥ったとしても、それをあえてドキュメントとして残すことはないですよね。でも、そういうことは他のプロジェクトでも起こり得るし、そのときどう対応したかというのは、実は一番知りたい情報なんですよね。そういう小さな事例や個別の経験を蓄積したり、そのときの対応について経験者に問い合わせたりするのは、Beatrust でしかできないと思います。“人” に蓄積された知識や経験をネットワークによってつなぐことで、同じような事態が発生したときによりスムーズに対応できるようにしていけたらいいですね。

社内の心理的安全性を高めるためにBeatrust を活用したい

ー Beatrust を導入して半年経ちましたが、どういった成果がありましたか?

植田

成果の定量化については今まさに取り組んでいるところですが、明らかな実感として、Ask 投稿数は増えてきました。当社では、Beatrust 導入以前から社内ポータル上に誰でも質問できる掲示板のような機能を設けていたのですが、直近の投稿数は月に 1 件程度まで少なくなっていました。それに比べて Ask の方では、現時点ですでに月 20 件以上の投稿があり、明らかに活発です。また、質問に対する回答や、いいね!などのリアクションも、Beatrust を導入してから圧倒的に増えました。

大内

定性的な成果は、2つあると思っています。1つは、質問に対してタグづけすることで適切な人に確実に通知が届くこと。それによって、情報共有と課題解決のスピードが上がりました。2つ目は、初対面での Beatrust を使った自己紹介が慣習化し、相互理解が進むと共に、準備工数が減り、自己紹介が楽しいものに変わったことです。僕は社内メンバーに向けてオリエンテーションや研修を行う機会が多いんですが、参加者には Beatrust を使って自己紹介をしてもらっています。これまでは、パワーポイントを使った資料作りの負荷が発生していましたが、Beatrust を使うことでその工数が減りました。また、新卒社員は「自己紹介してね」と言うと自然とプライベートの情報も織り交ぜて話してくれるのですが、中途の社員で特にキャリアの長い方は、前職の経歴を中心にお話されることが多いんですよね。どうしても堅い自己紹介になってしまって “その人らしさ” が見えてこなかったのですが、Beatrust を使うようになってからはそれが大きく変わったと感じます。

ー Beatrust の導入前は、どのようにお互いの情報を交換していたのでしょうか?

植田

恐らく、口コミや知人経由だったと思います。また、入社するとメンターが 1 人ついてサポートする制度があるんです。そのメンターに相談して、知っている人をつないでもらうことが多かったと思います。

大内

先ほどお話しした、Beatrust 以前に活用していた社内ツールも、情報交換ツールの一つでしたね。教え合いの文化は、MSOL の中で引き継がれてきた良い慣習だと思っています。

一方で、コンサルタントの性なのか、「回答内容に厳密さを求めてしまう」傾向というのもあり、それが原因で気軽に質問を投げかけづらい雰囲気があったのも事実。ツールの仕様がそれを和らげてくれることはあっても、やはりまずは会社組織としての空気作りが大事であると思っています。

植田

そういうこともあって、Beatrustの利用にあたっては「心理的安全性をいかに保つか」に注意しています。風土改革や空気感の醸成には時間がかかるものですが、導入担当の立場として Beatrust 上では自由で闊達な情報共有の文化を作っていきたいですね。

大内

現在、心理的安全性に関して、社内で色々な啓蒙活動を行っています。Beatrust がその一助になればいいと思っています。

ー 心理的安全性をさらに高めるには、何が必要でしょうか?

大内

教育だと思います。いま、「心理的安全性」という言葉だけが一人歩きして、皆も知っているつもりになっていますが、そもそも心理的安全性とは何かを本当にわかっている人は少ない。馴れ合いや遠慮とはまるで別物だと思っています。

植田

建設的な議論はすべきだし、そこに世代は関係ない。適切な礼儀作法の上で、必要な意見はぶつけ合うべきですよね。

大内

社内でも関心やニーズが高くて、「心理的安全性」というワードを入れて研修を行うと、参加者が多いんですよ。Beatrust だからこそできる質問や意見交換もあるし、社内の心理的安全性を向上するためにも、ますます Beatrust を有効活用していきたいですね。

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会社概要
株式会社マネジメントソリューションズ
東京都港区
https://www.msols.com/
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心理的安全性の醸成
植田 昌司 様
PM 事業本部
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マネージャー
大内 傑 様
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