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パトスロゴス牧野氏 × Beatrust 原 共催セミナーレポート

人的資本経営
スキルの可視化
DX

先日、株式会社パトスロゴス 代表取締役 牧野 正幸氏と「次世代の人材活用とイノベーション」をテーマにセミナーを実施しました。マネジメント層や役員層の方に向けたセミナーでしたが、本ブログではセミナーの概要と若手ビジネスパーソンへのメッセージをお届けします。リスキリングや社内公募など、自律的なスキルアップやキャリア形成が注目されていますが、これから日本企業の人事戦略がどのように変化していくか、それに対してどんな準備をしておくべきか、ぜひご覧ください。

<目次>

はじめに

セミナー内容

牧野氏から読者の方へのメッセージ

弊社 原から読者の方へのメッセージ

まとめ

はじめに

今回のセミナーは、マネジメント層や役員層の方を中心に、合計で 50名以上 の方にご参加いただきオフラインとオンラインのハイブリット形式で実施されました。

第一部では牧野氏と原からそれぞれ、現状の導入社目線からみた SaaS を巡る状況や日本企業の課題感や創業の経緯などお話し、

第二部ではパネルディスカッション、その後オフラインでご参加いただいた方は懇親会・意見交換会にもご参加いただきました。

<牧野氏プロフィール>

セミナー内容

まず牧野氏から 「大企業の人材活躍のために必要なIT基盤とは」 というテーマで日本の大企業での SaaS活用 についてお話しいただきました。

世界的には大企業内でも SaaS の利活用が進み始め、日本の中堅企業でも利用が進み大きく業務効率が上がっている一方、日本の大企業においては SaaS の利用が思うように進んでいない現状があります。この状況を改善するために、機能がシンプルで、UI・利便性にメリットのある「特化型SaaS (※)」を活用し、特化型SaaS 同士を組み合わせ、各 SaaS の強みを活かしながらデータを一元化していくことで業務効率が飛躍的に向上することをお話しいただきました。

(※)機能網羅性に特化し、機能やデータが複雑になりつつある統合型 SaaS サービスとの対比で使用。

そして、セミナーでは業務効率の向上だけに止まらず、人事部や会社が従来から持っている採用や人事労務、評価などのデータに加えて、従業員が普段どのような仕事を得意としているのか、周りのメンバーとどうコミュニケーションをとっているかなど、従業員発信で集まるデータを集める重要性もお話いただきました。SaaS を活用することの真の目的は、集まったデータを利活用し、生産性を向上させることであり、従業員の生産性・パフォーマンスの向上には従業員発信で集まるデータも不可欠であると具体例や経験談を交えていただきました。会社側と従業員側が持っているデータをどう一元化するか、そしてそれを利活用してこそ人的資本経営の本質だと締めくくりました。

人的資本経営も見据えたデータの利活用について

原からは 「個の時代における経営者に求められる心構えとデジタル戦略」 をテーマにお話しさせていただきました。大卒入社社員が 3年以内 に 4人に1人 が退職しているデータ、実際に大企業の幹部の方々とのやり取りなどを元に、企業と従業員のパワーバランスが変化していることを経営者目線、従業員目線の両面からお話ししました。特に優秀な従業員ほど、自己成長、自己実現できる環境を求め、それが叶わないと判断した場合は転職してしまうという話に賛同いただいた方も多かったと見受けられました。

そしてこれから経営者に求められるのは、社員の成長(=スキルアップ・経験・イノベーションへの意欲)にコミットし、より柔軟に社員の成長機会を具体的かつ積極的に提供することではないか、と欧米での潮流も踏まえてお伝えしました。社員の成長を後押しすることで、モチベーションの高い優秀な社員が会社で活躍し続け、そういった社員がコラボレーションすることで、企業価値の向上、つまり人的資本の最大化につながる。企業と社員が Win-Win となれるスキル中心の人的資本経営についてお話しさせていただきました。そのために必要不可欠なものが、よりオープンでフラットな企業風土の醸成(挑戦への支援、高い心理的安全性の確保等)とスキル管理や人材の流動性、社内協業を支える、AI等 を活用した効果的なデジタルインフラの整備であり、Beatrust のアプローチしている分野について紹介させていただきました。

求められるデジタル戦略について

第二部のパネルディスカションでは 3つ のテーマについて話し合いました。各テーマについてポイントとなるコメントを下記にまとめました。

1.従業員が最大限活躍するために必要なことは?(真のタレントマネジメントシステムとは?)
牧野氏:どの会社の人事部も今直面しているのは、人事部の持っている情報では限界があるということです。例えば人事異動やプロジェクト管理など現場のオペレーションを担当しているメンバーが適正配置の参考にしたいからといって、他の社員の人事評価データまで確認できるか、といったらそれは不可能。かといって人事評価を確認できる経営層が全ての適正配置を管理できるかといったらそうではない。ここに直面している企業が多いと感じています。1番必要なことは、従業員発信のデータが自動的に集まってくる、そしてこのデータには日々どのような仕事を担当しているのか、経験したことがあるのか、周りとどのようなコミュニケーションをとっているかなども含まれるべきだと考えています。

原:組織側も従業員側も、スキルの棚卸しが必要だと考えています。そしてこのスキルには、ハードスキル(今までの業務分野や保有している資格)だけでなく、ソフトスキル(仕事の進め方、リーダーシップ性、興味関心のある分野)も含まれると考えています。

2.従業員のパフォーマンスとコミュニケーションの関係性とは?
原:Beatrust を提供していて思うのは、実名ではなく匿名を好まれる方も一定数いらっしゃるということです。組織に対して建設的な意見であったとしても、周りの目や上司からの評価を気にしてしまって、発信しづらいという率直な意見も多く聞かれます。組織風土も関わりますが、ここを乗り越えていかないと、潜在的な従業員のパフォーマンスを引き出すのは難しいと感じています。

牧野氏:原さんの話に関連するところでいうと、人事評価の有無は大きいですね。前職では、現場では何が起こっているのかタイムリーに把握するため、各メンバーの週報が私にも届く仕組みをとっていました。私は役員以外の人事評価はしない、週報に書かれていることを読むだけ、と公言し、この週報制度を運営していましたが、生の声がたくさん集まってきました。人事評価と切り離すのは、メンバーが安心して意見を出せる環境作りの要素になると考えています。

3.経営的目線で、管理していくべき従業員のデータとは?
牧野氏:人的資本経営、ということで各社の経営層の方々とたくさん意見交換させていただきました。女性活躍、残業時間の削減によるワークライフバランス向上、など様々な観点がありますが、その結果生産性はどう変化したのか?これを計るのはまだまだ道半ばだと感じています。営業と開発の生産性は、異なる判断軸がありどう測定していくべきか、私も悩んでいた時期もあります。結論として質と量を兼ね備えたものが必要ですが、シンプルなもので測っていいのではないかとも考えています。例えばアメリカの IT企業 では、「どれだけ機能を開発したか」を指標にしているところもあります。一つひとつの機能を比べたら、難易度はそれぞれ違うと思いますが、組織全体の視点で考えると「提供できる機能が増えた」となります。このぐらいシンプルでもいいのではないかと思います。

牧野氏から読者の方へのメッセージ

これから求められていくスキルを質問すると IT系 と答える方が多いのですが、実はマーケットプライス(報酬)の観点から考えると、IT×人事、IT×財務、といった他の分野の知識も兼ね備えている方の評価が高くなっています。あくまでも人事や財務など、他の分野をメインとしながら IT の知識も持ち合わせていることが求められています。

これまでも、これからも企業に求められる DX とは、デジタルの技術を用いながらビジネスや業務を変革していくことであり、DX を推進するためには IT の知識だけでは全く太刀打ちできません。普段の業務を深く理解していることが求められます。読者の皆さんは若手ビジネスパーソンの方が中心だと思いますから、まずは現在の部署でも、自分の成果を挙げられそうな分野でもいいので、問題解決能力を身につけていただくのが良いのではないでしょうか。自分の頭で考え、試行錯誤することは必ずキャリアの糧になります。

弊社 原から読者の方へのメッセージ

これからは会社軸ではなく、自分軸で考えていく必要があります。自分が何をする為にどんなスキル・経験・知識を身につけていかなければならないのか、又その為には今の環境がベストなのかを常に考え、自己成長を加速できる職場を常に求めていくことが必要だと思います。これからはあらゆる機会がオープンになっていく世界ですので、自分次第で無限な可能性を実現していけます。好奇心を持ってワクワクしながら果敢に挑んでいってもらえたらと思います。

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。経験豊富な牧野氏との共催セミナーの様子とインタビューも含めて紹介させていただきました。これから会社がどのような経営戦略、人的資本経営に取り組んでいくのか、なかなか普段の業務で意識することは少ないかと思います。今回のこの記事が改めて、自分と組織の関係性について考えを巡らすきっかけになれば嬉しいです。

今後もセミナーレポートや有識者の方へのインタビューなどを行っていく予定です。ぜひチェックしてみてください。

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