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これからの若手ビジネスパーソンに伝えたいこと

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皆さんこんにちは!Beatrust オリジナルインタビューの第 1 弾は弊社の社外アドバイザーを務めていただいている程 近智(ほど ちかとも)氏です。元アクセンチュアの取締役会長および代表取締役社長、現在もさまざまな企業の社外取締役として、幅広い知見をお持ちの程氏から「これからの若手ビジネスパーソン」をテーマにインタビューを実施しました。現代のビジネス経営層は何を考えているのか、今後どのような働き方が広がっていくのか、若手だからこそできること、などキャリアを模索している読者の方のヒントになる内容になっています。ぜひご覧ください。

程 近智氏 プロフィール

1982 年米スタンフォード大学を卒業後、帰国して外資系コンサルティング会社アクセンチュアに入社。1991 年米コロンビア大学経営大学院で経営学修士(MBA)取得。その後、要職を歴任し、2006 年 4 月よりアクセンチュア株式会社代表取締役社長に就任。2015 年取締役会長、2017 年取締役相談役などを経て、2018 年相談役。2021 年同社退任。現在はベイヒルズ株式会社 代表取締役、また複数の企業の社外取締役も務めている。

日本の現状と変化

まずは日本の働き方の現状についてお考えになっていることを教えていただけますか?

それについてはまず、日本とアメリカの企業における働き方の違いからお話していきます。日本の場合は、創業者がいたとしても、それぞれの企業の「型」が決まっていてそれに合わせなければならない、という要素が強いと思います。例えば、マネジャー昇格要件に勤続年数が含まれている、部門異動には特定のプロセスや要件がある、というものです。個人が企業にフィットしていくことは大切ですが、それは企業自体がアップデートし続けていることが大前提です。アップデートし続けていない企業で働くメンバーが集まっても、新事業が軌道に乗る、他のライバル企業に勝つ、とは思えないですよね。そんな状況の中で昇進要件に勤続年数や特定の決まったプロセスがあることは本当に理にかなったことなのでしょうか。

一方、アメリカは自分と企業の方向性が合わないと感じたら転職する流れができています。人生全体で平均すると一人あたり 6〜7 回転職を経験しているのではないでしょうか。日本に比べると企業と個人の関係がよりフラットです。日本でも自分自身がスキルをアップデートし続けることで、企業と個人の関係性をフラットにできると考えています。

企業だけでなく、個人としてもアップデートし続けていくということですね。
それに対して日本企業の経営層は今何を考えているのでしょうか?

複数の企業の社外取締役を務めていますが、「若手の意見に耳を傾けるようになっている」と感じます。リバースメンタリング*の仕組みを取り入れている企業も増えましたよね。GDP や給与をみてもこの 30 年間、日本は成長していません。そしてその影響が社会保障費などに現れており、20〜30 代がそのツケを払わなければなりません。これは私も含め、経営層の大きな責任だと考えています。また「ベストオーナー」と呼ぶ考え方も進んでいます。「この事業は自分たちの企業が持って推進を続けるべきなのか?」「より大きなライバル会社の傘下に入って事業を継続した方がスケールメリットが出せるのではないか?」など、社会にとって何が最も有益か、という視点で考えるのです。日本の人口も減少していて、外資資本の参入も行われているなか、経営者はこのようなことも考えています。

*若手社員と先輩社員、上司が立場を逆転し、若手社員がメンターとして、メンティーである先輩社員や上司に助言する教育制度のこと。

経営層は自分の企業だけでなく、社会全体を見た時にどのようなポジションであるべきか。ということまで踏み込んで考えているんですね。

そうです。株主などの資本市場からの働きかけもあり、残業時間の規制など働き方改革が進みました。企業もここ 10 年で大きく変化しています。最近では一度退職した方が再度働くカムバック採用なども増えていますよね。なかなか一般社員には見えていないことも多いですね。続いて雇用形態についてお伺いします。日本もジョブ型雇用が今後浸透していくのでしょうか?

私は適材適所型の配置が適しているのではないかと考えています。適材適所型の配置とは、

①そのポジションに必要とされるスキルがあるか

②やる気があるか

③成果が出なかったら交代する

という 3 つを守った配置制度です。最近の若手で優秀な人に「仕事で求めるもの」を聞くと、

①面白い仕事かどうか

②成長できるか

③社会的なインパクトがあるか

④給料

と 4 つの答えが返ってきます。特に成長できるかどうか、を求める傾向は顕著に表れています。自分がやってみたい、成長したい、と思った時に「役職やポストが詰まってるから、今はその仕事はできないよ」という企業は優秀な人材がどんどん流失していくでしょう。確かにジョブ型雇用も広まってきていますが、今までのメンバーシップ型雇用* で働いてきた世代とのギャップは大きいですよね。今後はジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用を融合させていく時代が訪れるのではないでしょうか。それぞれの良さがあるので、業界によっても最適解は異なると考えています。

*企業が業務の内容や勤務地などを限定せず雇用契約を結び、雇用された側は割り当てられた業務に従事するという雇用システム。年功序列、終身雇用、新卒一括採用などが前提とされる日本の企業で多く取り入れられています。

若手ビジネスパーソンの方へのアドバイス

日本版のジョブ型雇用、というイメージですね。成果を何で計測するのか明確にするのが重要ですね。最後に、若手ビジネスパーソンの皆さんへのアドバイスをお願いします。

企業をうまく利用していこう、という発想の転換も大事です。アクセンチュアで働いている時には「自己表現のプラットフォーム」として活用してほしい、と社員に伝えていました。私が 20〜30 代に今戻ったとしたら 2 つ意識します。

1 つ目は「think straight, talk straight」です。言い換えると「この組織、ここは変だよ」と違和感を感じたら臆せず伝える、ということです。日本企業では「空気を読む」「周りと足並みをそろえる」ということが非常に重視されてきました。しかし先ほどもお伝えしたように、時代は確実に変化し、企業と個人がよりフラットな関係になっていきます。言葉が強くなってしまいますが、違和感を伝えた際に、クビになったり評価を下げるような企業にはいない方がいいと思います。このような企業が今後は淘汰されていく時代になっていきます。

2 つ目は「ライフステージや個人の考え方に対応してくれる制度やマインドを持っている企業を選ぶこと」です。人生何が起こるか全く分かりません。働き方に対する考えは家族の状況やライフステージによってその都度変化し、ベストな選択も変わってきます。これだけ多様性について議論されているなか、企業はさまざまな方に働いてもらえるような制度を整える義務があります。より多くの選択肢が選べるところ、新しい制度に積極的に取り組んでいるかどうか、もしっかり判断していくといいと思います。人生で大切にしたいことを改めて見つめ直すこと。それによって産休や育休の取得率や体験談を積極的に発信している企業がいいのか、社内の教育体制(メンターがどれだけいるのか、直接の上司以外ともコミュニケーションをとりやすいか)が充実しているところがいいのかみえてくるでしょう。改めて自分が働く職場に何を求めるのか考えてみてはいかがでしょうか?

インタビュー後記

今回のインタビューは PR 担当の八木が実施させていただき、同年代の 20 代 30 代との会話で耳にする話も絡めながらお伺いしました。大局的な視点で物事を考えていらっしゃる程氏に、若手ビジネスパーソンにも伝わるよう丁寧にかみ砕いてお話いただきました。特に「think straight, talk straight」。組織に対して違和感を感じたら臆せず伝える、このお話がとても印象に残りました。組織やチームにとって必要なことであれば、伝えることを怖れない。今までを振り返ると自分の考えを発信する経験が不足していたなと感じます。まずは様々な視点から物事を考えたうえで自分なりの考えを持つこと、そして伝える内容、伝え方を意識しながら経験値を重ねていきたいと思います。読んでいただいた方の何かのヒントになれば嬉しいです。次回の記事もお楽しみに!

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